2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ピーター・ドイグ展 』東京国立近代美術館

ドイグの制作方法は、写真・広告・映画等の既存イメージを自身の記憶と組み合わせて、心象風景を画面に生み出すというもの。情報化社会に暮らす私たちの視覚経路のようだと思った。 写実的リアリティとコンテキストを取り去った風景は、私的で夢のような非現…

『背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和展』練馬区立美術館

私は、青楓のことは浅井忠と共に、洋画家としてよりも図案家として注目していた。この回顧展で幅広い画業を総覧してもやっぱり、図案・装丁が一番良かった。感覚的な線とフラットな面、日本的な色彩と装飾的な構図。こういった作風に無条件に惹かれる。それ…

『ヤコポ バボーニ スキリンジ展』CHANELネクサスホール

人体に直接楽譜を描く、ヤコポ独自の作曲法。骨格や筋肉の凹凸が旋律を導く。楽譜に基づく音楽というのは、まず初めに作曲家の存在があり、次に演奏家の解釈と再現があり、三次的に聴衆に委ねられる、という階層が当たり前かと思っていた。ヤコポの作曲法は…

『ART NAGOYA』 ホテルナゴヤキャッスル

ホテル型アートフェア。会場は9階客室。名古屋城ビューに観光気分が上がった。遠目にも金シャチは輝いていた。 池田杏莉さんの作品が欲しかった。 大の字で天を仰ぐ犬っぽい子。おなかぽっこり、満足気。鼻が光るというのがサンタの相棒のトナカイみたい。電…

『ハマスホイとデンマーク絵画』東京都美術館

ハマスホイの作品をまとめて見られるこの機会、ずいぶん前から楽しみにしていた。 やわらかな陽光の差す静かな室内画の数々。ハーフトーンの色味と、薄塗りで几帳面な筆致が美しかった。『寝室』が特に好きだった。 奇妙な作風だなぁと思う。 穏やかだけれど…

『第68回 東京藝術大学卒業・修了作品展』東京藝術大学、東京都美術館

『廻転する不在』東弘一郎さん/先端芸術表現 建築っぽいけど、自転車。進んでないけど、自転車。 時々ベルを鳴らしてくれるのが可笑しかった。『フグスリバコ』 鷲見茜さん/陶芸 フグの毒が抜けて薬箱になるというストーリー 『岸水寄せる』竹野優美さん/…

『無形にふれる』POLAミュージアムアネックス

伝統工芸、伝統芸能、民俗芸能の体験型展示。 能と京舞の「型」の紹介は、等身大パネルに動きとその意味が解説されていた。手話みたいだと思った。 日本伝統文化の「型」というのは、テキスト集なのだと思う。型をなぞる目的は、ノウハウの習得や伝承だけで…