『保科豊巳退任記念展「萃点」SUI-TEN』東京藝術大学美術館

*萃点……熊楠の造語で“さまざまなものが集まる場所”の意。

 

油画で25年も教鞭を執られた保科氏の回顧展。

スタイルに激しい変遷がみられないのは、社会背景が変化しても変わらないものにテーマを置いているからかなと思った。東洋的な世界観を感じた。

 

『雨の降る家』f:id:pon3po:20200203194736j:plain

家の内外が逆転した構造。家の中だけドシャ降り。
“もう内部には住めないのだろうか?”

 

『氷上の痕跡』

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“気が付いたら、安全地帯と死に至る危険地帯との間を歩いていた。”

 

どちらも「境目」を意識させられる作品。

境目をつくりだしているものはなにか。そもそも本当に分離しているのか。分離しているという認識はどこからきたのか。 
これ、壁にぶつかった時に必ず立たされる場所だ。時々は、立ち返るべき場所。